アメリカに限らずですが
人種・文化・宗教のるつぼで
栄養・食に関わる仕事をする場合、様々な食文化・宗教に関わる食制限について知っておきたいところ。
今日は”Ash Wednsday (灰の水曜日)" と呼ばれる日で レントの始まり。
今日からイースターまでの約46日間、多くのキリスト教徒(特にカソリック)の方は、いわゆる自制期間に突入。
レントやイースター、聞いたことはあるけどよく知らない方も多いかも?ということで
(少なくとも、私はイースター=イエスキリストの復活祭, エッグハント!!くらいしかよく知りませんでした)。
レントに関する情報を簡単にまとめてみました。
目次
Lent(レント)・四旬節
イースター/イエスキリストの復活祭 前の日曜日を除く40日間の自制期間。
イエスの自己犠牲(十字架にかけられて死を迎える)を偲んで、自制・自粛生活を通して身を清める期間だそうで、
なぜ40日かというと、イエスキリストが荒野で40日間断食したことに因んでだそうです。
イースターは移動祝日で(教会暦による)、毎年3月下旬ー4月下旬頃。
なのでレントは−40日の2-3月頃にあたります。春にいつも行われるので、Lent(=古英語において「春」)と呼ばれるとか。
具体的に何をするかは、教派・人によって様々ですが、伝統的には「祈り・断食・慈善」が奨励されていて、簡易な断食をしたり、食事を質素にしたり。
特に、金曜日は獣肉を避けるそうで(魚介類はOK)。
私の上司の一人は、ポーランド系・”一応”カソリックのため慣習として
レントの期間は、肉を口にしないそうです。
そのため、レントの期間中毎週金曜日は、レストランや病院等でも魚介類&乳製品を使ったメニューが増えるとか。
「灰の水曜日」(Ash Wednesday)
上記の Lent・四旬節の始まりを示す儀式の日。
信者の方達は、文字通り、灰を額につけてレントに備えるべく、まずキリストの受難を偲び、
自分達の罪を悔い改める象徴的な日だそう。
(なぜ灰かというと、キリストがかけられた十字架の象徴や ”人は灰から生まれ灰へと戻る” という謙虚さを学ぶため?とも聞いたことがあります)
今日、グロッサリーショッピングに出かけましたが何人か、額に十字の形で灰をつけている方がいました。
Mardi Gras (マルディグラ) ・Fat Tuesday
灰の水曜日の前日=火曜日、レントを前にして行われる、自粛前の豪華絢爛な仮装パレードや祭り。
フランス語で「Mardi(火曜日)」+「gras(太った)」という意味で、英語では
Fat Tuesday (肥沃な火曜日)。(個人的にツボなネーミングなので大文字太字w)
名前通り、今日はたくさんはじけて、食べてのんで肥えるぜ!
脂溜め込むぜ!な火曜日です。
カーニバル(謝肉祭)とも言われますね。(この漢字チョイスよ..w 字面圧強めですよね)
ちなみにカーニバルの語源は Carna-vale (カルナバル)
Carna(肉) Vale(さようなら)らしく、直訳で「さよなら、肉」 笑
肉断ちの前に、お腹いっぱいお肉を頂いて、しばしのさよならを告げる祭りなんだそうです。
ちなみに、レント前のカーニバルといえば
あのド派手なブラジル・リオのカーニバルが有名ですが
アメリカではルイジアナ州 ニューオーリンズ市での祭りが有名で、それにちなんで
レント前のマルディグラス期間は、ルイジアナ料理の人気も増すようです。
私がFat Tuesdayに勤務していた病院でのランチも、ルイジアナ料理でした。
ガンボ大好物なので嬉しかったです♪
明日は「灰の水曜日」、多くのカソリックの方は40日のレント/軽い断食節制へ突入。
今日は「FAT Tuesday」
色々自粛に入る前の謝肉祭の最終日!
脂溜め込むぜ!な火曜日
(=マルディグラ)というわけで、謝肉祭で有名なニューオーリンズのルイジアナ料理が
今日病院で頂いたランチ pic.twitter.com/2KK9RkSjzt
— Yoko (米国登録栄養士:RDN) - FYI Nutrition (@fyi_nutrition) February 22, 2023
というわけで、以上 宗教に関わる食制限の一つ、レントについてでした。
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カソリックのクライアント・患者さんがいらしたら
Do you practice lent?
と聞いてみると、もう一歩踏み込んだアセスメントができるかもしれません。
私の上司のように、金曜だけ食事を変える人もいれば、レント中は日曜日以外プチ断食で摂食量がいつもより有意に減る人、お酒のみ断つ人、食事は何も変えず、ゲーム断ち・お祈りだけな人もいるでしょう。
(以下、レントに関する参考ページ 一応のっけておきます)