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臨床栄養士 アメリカでの就活: 面接で聞かれた質問

 

「臨床栄養士:アメリカでの就活体験談」シリーズ。

今回は、病院就職の面接で実際に聞かれた質問について。

なお、私が応募したポジションは

  • " 新米" 栄養士 PRNポジション (時間給で働く・福利厚生はないけど柔軟なスケジュール組み&複数の勤務先で働く事が可能)で、フルタイムでもパートタイムではない旨、ご留意願います。=ポジションの違いについてもまた取り上げてみたいと思います。

 

では、早速....

 

目次

Tell me about yourself 

(簡単に自己紹介して下さい;”Tell me about your experience related to this job." ともう少し、限定して聞かれる場合も。)

これはほぼ、必ずといっていい程 一番最初に聞かれる質問ではないかと。

なるべく簡潔に、自分のバックグラウンドと自分がなぜその仕事に応募してるのか?を伝えます。

まだ場があったまってない中の最初の質問なので、できればあまりつまらず、自信を持って答えたいところ...。

私の場合は、日本での学位、仕事経験、渡米理由、アメリカでdietitianのライセンスを取得した時期、志望動機(なぜこのタイミングでその病院で働きたいと思ったのか)をおりまぜ1分−1分半くらいにまとめて伝えました。

ちなみに、私は↑のような ”よくある質問”  に対しては、ある程度、回答例文を事前に用意して、暗記しました。

ただでさえ、英語ノンネイティブのハンデがあるのに、緊張した状態でテンプレなしで臨むと、私の場合、

緊張してぐだぐだ余計なことまで言って会話事故を起こしかねないので...

 

Tell me about your experience from the internship/ your current or previous job

(インターンシップ/現職での経験について教えて下さい)

新米Dietitianだと、インターンシップでの経験を聞かれます。どういった病院、施設でどんな事をしていたのか?

応募している病院での仕事内容になるべく近いインターンシップ経験を軸に、どういった事を学び、任せてもらっていたのか伝えます。

例えば私の場合だと、「Acute Care のローテーションは〇〇病院で○週間 /ヶ月ほど行いました。そこでは最終的に平均1日 ○人くらいの患者さんの栄養アセスメント・ケアやeducationを行っていました。病棟は様々でしたが、ICUや栄養サポート・経腸栄養も経験させてもらいました。他には、○○病院や、Home Infusion Companyでの静脈栄養、透析クリニック、神経疾患クリニック、WIC、チルドレンホスピタル等でもインターンシップを行いました。」 と言う感じで、後は、回答に合わせて、インタビュアーが掘り下げたり、追加の質問をしたり。

思い出深い?ケースや患者さんの話、失敗・成功経験を聞かれることも。

Dietitianとしての仕事経験がある場合は、期間とどういった patient or client population/患者さんorクライアントさん、病院勤務の場合は、受け持ってる病棟、1日平均何人くらい、経腸・静脈栄養の経験 etc.. 聞かれます。

 

What is your availability? 

(勤務可能な日程について教えて下さい)

これは、PRNポジションでの求人ならではの質問となりますね。相手のニーズと自分の希望が合致しないとお互い辛い事になるので、正直に答えましょう。週末だけ働きたい、平日だけ働きたい、主に平日+たまに週末、平日・週末問わないけど月に平均○日働きたい etc...

特に希望がない場合(フレキシブル)な場合は「今の所、フレキシブルで平日週末問いませんが、どういったスケジュール条件で働ける人を探していますか?」と逆に先方にも聞いてみましょう。

 

 

...とここまでは、おそらくどの病院でも必ず聞かれるベーシックな質問で、

以下は、「病院によって異なるようだけど、私が受けた病院では聞かれた」質問です。

 

How do you plan your work when you have multiple tasks but you're busy? 

(忙しい中、複数のこなさなければならないタスクがある場合、あなたはどのように計画して仕事を進めますか?)

仕事の優先順位をどのようにつけるタイプなのか、効率よくタスクを時間内に終わらせられるか見極める質問だと思うのですが、

こういう「シチュエーションによる」質問って難しいですよね。ありきたりな答えを返して これでよかったのかな?と思った記憶があります.. (「まずタスクをリストアップして、時間制限のあるものと優先順位の高いものを明確にして仕事に取り組み始めます。間に合わない可能性があると思ったら、必要に応じて、同僚ともリストをシェアして助けてくれる人がいるかも探します。」的な..)

 

 

How do you differentiate PCM vs Malnutrition? 

(タンパク質-カロリー-栄養障害 vs 栄養障害 ;両者をどう区別しますか?)

PCMかMalnutrition、どちらかについては聞かれるかも?とは思っていましたが、両者の違いについて聞かれるとは思っていなかったので、少し意表をつかれた質問でした。

正直、文字通り、タンパク質由来のカロリー欠乏の有無がメインの違いだとは思うのですが(Kwashiorkor vs Marasmus 的な)あとは、浮腫の顕著さや(疾患vsタンパク不足による浮腫との区別or寄与の程度の査定 難しいでしょうが..双方寄与してるケースの方が多いでしょうし..)、あとはMalnutritionは低栄養だけでなく、過剰栄養でも起こり得る点等、挙げてみましたが、相手の思う回答を返せたかどうかはわかりません。

働き始めてから分かったのは、この病院は栄養士によるPCM diagnosis/診断に力を入れてる病院なので、今思えば面接で理解度を聞かれたのは納得です。

 

 

What are your thoughts on Hospital food ?

(病院食についてどうお考えですか?)

これも、意表をつかれた質問でした。相手の意図がよくわからなかったので「えっと..病院食についての私の考え...ですか..?」と思わず聞き返してしまいました😅

そしたら、「あ、ちょっと質問分かりにくかったですよね。病院でよくみられる「制限食」に対して、あなたの意見を聞かせて下さい。」と。で、あぁ、制限食推し派か、制限を外す事に対して賛成派かどうかということについて聞いてはるんだなと.. Dietitianによってポリシー様々ですし、in-patient vs out-patient、Acute vs Post-acute でも変わってくるかとは思いますが、基本、摂食量が不十分で血液検査結果とも整合性とれるなら、出来る限り 制限は外す (=Liberalized Diet) に一票な旨を伝えました。

 

 

Do you have any experience in rounds/multidisciplinary team meetings?

(インターンシップ;>1200時間の臨地実習  で他職種とのミーティングやラウンドに参加した経験はありますか?)

私が実習で行った病院では、残念ながらインターン生がラウンドに参加することはなかったので、正直に

「残念ながら、実習先の病院でその機会には恵まれませんでした...が、必要に応じて積極的に他職種の方とコミュニケーションは取りましたが。」(と答えは盛りました)。私のクラスメートで、インターン中にICUのラウンドに参加していた子もいますし、どの病院に行くかで経験は異なりますね。

 

 

Experience with prescribing Tube feeding

(インターンシップ中の経腸栄養処方の経験について。)

正直、あまり多くの経験には恵まれませんでしたが、その点カバーすべく、印象に残った経腸栄養の患者さんのストーリーを織りまぜました。

「一番チャレンジングだと感じた経腸栄養の患者さんにはこういう疾患があり、〜〜な理由で最適なフォーミュラの選択がとても難しかったけれど、3人の先輩Dietitianにコンタクトをとり、こういったアドバイスをもらい、結局○○に決めました。」的な。

新米dietitianの場合は、インターン中のこういったエピソードをいくつか話せるように思い出しておく、用意しておくことをお勧めします(難しかった、うまくいった、反省が多かったケース等)!いいディスカッションに繋がり、盛り上がったりもするので。

 

 

How would you proceed with Enteral Nutrition for a pt who’s at risk of refeeding syndrome?

(リフィーディング・シンドロームのリスクありな患者さんに対する、経腸栄養の進め方について答えて下さい。)

リフィーディング・シンドロームについては聞かれるかな?と思い、面接前に学校で習った事おさらいしていたので助かりました。最初の1-2日は10-20 kcal/kgからスタート、血中成分(Mg, K+, Phos )のトレンドとGIの耐性をモニターしながら徐々にゴールレートまで上げていきます、と。

 

 

If a Doctor asked you to start Trickle feeds during a round, what would you do? (in terms of rate) 

(医師がラウンド中にあなたに、Trickle feeds (日本語でなんでしょう..少量投与?)始めてーと伝えたとします。投与のレートどうします?)

あぁ..しまった..と思いました。Trickle feedsのレートは、文献やテキストブックによってある程度相違があって、よく分かんないなーって解決せぬまま放っておいてしまってたので.. 「30 ml/hr..以下..?..からでしょうか..」と歯切れの悪い回答をしてしまいました。そしたら、「うちのICUでは大抵、20ml/hrから開始してます。」と教えて下さいました。

 

 

Are you comfortable with education on general MNT?

(一般的な MNT(Medical Nutrition Therapy)/栄養療法・患者さんへの栄養教育は、一通り問題なくできますか?)

「トレーニングなしですぐ現場出てもらって大丈夫?」いう確認かと思われるので、ここも盛って笑顔で「はい、もちろんです。」と😆。得意分野があれば、それを伝えるのもいいかもですね。

 

 

What would you recommend for Oncology pts?

(癌患者さんに対して、あなたはどんな栄養処方をしますか?)

これも疾患の複雑性に反して、結構ざっくりした質問だと思ったので少し困りました。癌の種類、ステージ、治療による副作用の有無(xerostomia/口腔乾燥症、吐き気・嘔吐、下痢・便秘、嚥下障害etc..)にもよるので、栄養アセスメントで問題を絞ってから、それに応じたrecommendationについて考えます... が、とりあえず、体重の変化には注意します。ハイカロリーで栄養価の高い食品やONS も必要に応じて使いつつ、こまめで無理のない摂取をなるべく心がけてもらいます。的な回答をしました。この質問も、いわゆるopen end questionでいわゆる「答え」が決まってないので、先方の思う回答ができたかはわかりません。

 

 

82 yo male admitted from a nursing home, he has severe dysphagia and has lost 12 pounds in 2 wks. What would you recommend? Here, please don't worry about other underline comorbidities.

(82歳、重度の嚥下障害ありの患者さんがナーシングホームから搬送され入院しました。2週間で12パウンドの体重減少。あなたの栄養処方は?ちなみに、ここでは他の持病の有無等については無視して下さい。)

口頭でケーススタディぶち込まれると思っていなかったので、心拍数爆あがりしました(まず、ちゃんと質問・バックグラウンドを理解できるだろうかと自分の英語聞き取り力への不安と緊張でアドレナリン⤴️⤴️⤴️)

正直、「他の持病の有無等については無視して下さい」と言われても、その『他の』ファクターによって色々左右されると思うので、答え辛かったですが... とりあえず、他の持病は無視してとの事なので、

-体重減少が摂食量の低下によるものと仮定して..患者さんが食べなかった・食べられなかった原因をなるべく絞って、それに対する介入を試みる

-入院時点でMalnutritionなので、なるべく経腸栄養の早期介入がテキストブック的にはオプションになるが、年齢的にQOL vs 介入のアグレッシブ度合いのバランス (本人の意思)の考慮

-もし経腸栄養が場合は、Mg, Phos, K+モニターしつつtrickle feedからスタート(経腸栄養じゃない場合は..ONSと引き続き嚥下食で様子見)

という点を回答におりこみました(たどたどしいトーンで...) 。回答中、何か見落としてないか..どこまで答えるべきなのかよく分からず面接後もあれこれ考えてしまいました😅

 

Which field of nutrition would you find the greatest growth potential?

(あなたが最も成長の可能性を感じる栄養の分野は?)

=つまり、苦手分野について聞かれたのですが、greatest growth potentialって、なんてナイスな言い回しなんだと、ちょっと感動。いやーできはる人は言い方が違うわ..と感動してる間ないのにしてしまいました。

ここでの回答はシンプルに一言、「Peds (小児科です)」と。そしたら、面接者も「Agreed. same here (同じく)」と同意してくれました笑

大人よりミラクルが起こりやすくて、伸びしろの多い、働き甲斐のある分野だと思いますし、Peds ICUももし、通勤しやすい距離でチャンスあらばチャレンジしてみたいですが、正直今の自分の英会話スキルだと、小さい子の栄養アセスメント+複雑なシチュエーションにいらっしゃる親御さん・ご家族の方と繊細なコミュニケーション、他職種との会話を同時並行で行うには足りなすぎると感じるからです..

特に、複雑な家族背景の方が多いアメリカ。修羅場も多いですし(ママ vs 継母 vs 恋人、離婚調停中のカップルとベイビー、ママと思いきや激若なおばあちゃん、服役中のパパママetc..)、小児ICUでのインターン中、14年以上の経験有りの先輩dietitianさんも、保護者さんによって言葉選びが難しいと仰ってたのを聞いて(いや、もちろんアダルトも言葉選びは大事ですが).. 「今はまだだな..」と思いました。

 

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以上です!

 

面接って、第一言語でも緊張するし難しいものですよね。

私は緊張しいなので、よく聞かれる質問を調べて

自分なりの回答下書きを英語で書いて、読み練習して臨みました。

 

丸暗記で臨機応変な対応ができないのも良くないですが、準備して自信を持って答えられるようにしておくのも大事だなぁと。

(ちなみに、面接でのやり取りは、TOEFL/IELTS スピーキング対策の経験が役に立ったように思います。)

 

 

日本の管理栄養士さんの就職面接ではどんな質問をされるのでしょうか?よかったらTwitterでもコメント欄でも、シェアして下さいね😊

 

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